ギメ東洋美術館浮世絵展



2007年5月17日更新

大阪市立美術館で行われた、ギメ東洋美術館所蔵浮世絵名品展に行ってきました。
仕事の都合で振替休日を利用して、平日に行ったのですが、人の多さには本当にびっくりしました。

ギメの浮世絵所蔵品は、非常に保存状態が良く、またその数量も価値も圧倒的で、すばらしい名品にしばし時を忘れる事が出来ました。
展示は、時代順で、画法、印刷技術の技法の発展と変遷が良く理解できるものです。
浮世絵は絵師、彫師、刷師の三位一体の芸術だと常々思っていましたが、八代将軍吉宗の時代には、単色刷りに彩色しただけのものだった物が、多色刷りに発展してゆき、さらに、絵の具の改良が進み、東洲斎写楽の頃の黒雲母(くろきら)刷りでは雲母が使われ、独特の光沢を放っていたり、江戸末期に海外より美しい藍色の絵の具が輸入されると、色合いが全く変わってきます。
また、版木のエッジを利用した印刷法を駆使して、顔の輪郭をみせたり、白鷺の羽毛を表現したりと、今回初めて知った事が幾つもありました。

教科書で良く見る絵、その構図や、表現方法を知識としては知っていても、やはり生の迫力には敵いません。

江戸時代の庶民の風俗を理解するに、浮世絵はやはり最適なのだと感心しました。

今回飛び切り感動した絵は、北斎の物でした。
以前、北斎漫画をNHKの番組で取り上げていましたが、今回展示されていた作品においてもそれを感じる事が出来ました。
中でも百合の絵は、今ここに出されても全く古さを感じさせない、力強い筆致、色合い、構図、どれをとってもすばらしい。
そして繊細で力強い、筆使いを見事に彫り上げ、刷り上げた技術には驚嘆しました。
(目録の写真では全くその迫力は感じられません。・・・スキャン技術の限界を感じてしまう・・・)
千絵の海のシリーズの表現方法などは、絶対に、印象派や点描派に影響を与えたとしか思えないものばかり。
波頭の波しぶきを3色の点で見事に表現しています。

豊国の役者舞台姿絵では、顔の周囲に暗い舞台背景をおき、体は舞台の床面に立たせる様にして、髪の毛は背景に紛れるものの顔の表情をくっきりと浮き立たせ、また衣装のあでやかさを強調させる見事な演出がしてあります。当時の舞台はろうそくの炎で演じていましたから、現在よりも恐ろしく暗く、その雰囲気を見事に描写していると思われます。

そんなこんなで女房と楽しんだ一日でした。

でも平日にもかかわらず、どこから沸いてきたんだろう。この人の群れ。
勘弁してください。
ジジババ集団の方々。

とてもゆったり楽しめる様な雰囲気ではなかったのが残念です。

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